2026年、中国の自動車業界は海外市場で新たな局面を迎える。1月、中国の自動車輸出は68.1万台に達し、前年比44.9%増加。そのうち新エネルギー車は30.2万台で、前年比1倍の増加を見せた。2月は春節の影響で輸出が一時的に減少したが、2ヶ月間の累計輸出は130万台を超え、前年比40%以上の増加を維持した。

2024-2025年は海外市場への「急速進出期」と位置づけられるが、2026年は「体系戦」の段階に入っている。単なる車の販売から、生産能力、サプライチェーン、サービス、ブランドのグローバル展開へと進化している。

1. 先頭争い:比亜迪と奇瑞の「海外一位」をめぐる争い

2026年の車両の海外販売目標では、比亜迪は海外市場で130万台の販売を目指し、前年比25%増加を計画。奇瑞は年間販売目標320万台のうち、海外占有率が約50%と推算され、海外販売は150万~160万台に達すると見込まれる。吉利は64万台、前年比50%増加を目指し、広汽集団は25万台、前年比92.3%増加を目指す。小鵬は9万台、前年比100%増加を目指している。

奇瑞は推算目標を達成すれば、「海外一位」の座を維持する見込み。比亜迪は2025年の海外販売104万台から2026年の目標130万台を目指し、奇瑞との「海外冠軍」争いに本格的に参入する。

2. 海外市場の分層:2つの戦場、2つの戦略

中国の自動車メーカーが進出する海外市場は2つのタイプに分けられる。1つは「急速進出型」で、中国車の市場進入が迅速で、現地市場での競争力が高い。代表市場はタイ、アジア太平洋、ブラジル、中東など。戦略は新エネルギー車の優位性を活かした市場占有率の急速な拡大。タイのバンコクでは、毎年2回の大規模な車展が開催され、中国ブランドが主導する。

もう1つは「高い門槛の攻略型」で、法規制や政策の門槛が高く、市場競争が激しく、立足が難しい。代表市場は西ヨーロッパ。戦略はヨーロッパ市場からの進出で、ブランド建設の高地を確保し、他の海外消費者に「グローバルテクノロジーブランド」としての認知を高め、中高級市場への布石とする。

3. 利益空間:高利益から常態化へ

2024年のような「海外で1台売れば、国内で10台売るのと同じ」という高利益時代は終わりつつある。主な理由は、海外の新エネルギー車の供給が充分になり、希少性が失われたこと、中国車メーカーが価格競争を東南アジアに持ち込み、特にタイ市場で顕著なこと、中低級市場の拡大により製品のプレミアム価格が下落したことなど。

小鵬自動車の国際事業センター総経理ALEX唐は、「単に中国製品を海外に輸出して売る『利益』は急速に消えつつある。技術やエコシステムのない輸出は、長期的なプレミアム価格を確保することができない」と指摘する。

4. 深層的な課題:海外進出は「体系力」の競争

中国の自動車メーカーの海外進出は、小米やOPPOなどのスマートフォンメーカーの当時の進出よりも複雑な局面に直面している。4つの主要な課題は、国際情勢の地政学的リスクや貿易保護主義の台頭、海外市場の関税政策の動的調整への対応、サプライチェーンの距離と安定性への要求、ヨーロッパ市場の労働者待遇や品質検証への高い要求など。

核心的な結論は、自動車の海外進出は、単なるブランドの輸出ではなく、生産体系、サービス体系、販売体系の全体の海外進出である。長期的なサプライチェーンとコストのコントロール力を維持することが、真の差別化要因となる。

5. 2026年の新たな動向:現地化の加速

2026年に入り、中国の自動車メーカーの海外進出モデルは進化している。生産能力の海外進出では、比亜迪のタイ工場が年産15万台で稼働を開始し、哪吒自動車のタイ工場も同時期に稼働を開始。現地生産により関税障壁を回避し、現地産業チェーンに深く統合する。

技術の海外進出では、小鵬とフォルクスワーゲンが技術協力を結び、車両プラットフォームと自動運転技術を輸出。零跑とStellantisは合弁会社を設立し、後者のチャネルを活用して海外市場を拡大。技術輸出が新たな収益源となる。

サービスの海外進出では、蔚来がヨーロッパで「サブスクリプションモデル」と自社の交換ステーションを導入し、高級サービスの海外進出を探る。多くのメーカーが海外で自社の販売サービス体系を構築し、ユーザー体験を向上させる。

6. 未来展望:海外進出から現地進出へ

2026年の中国の自動車海外進出は、「海外進出」から「現地進出」への転換点に立たされている。真の勝負は、海外市場で完全な価値連鎖を構築し、中国ブランドを現地消費者の心に根付かせることができるかどうかにある。

「車の販売利益」が減少する中、中国の自動車メーカーの真の力は、グローバル規模で資源を統合し、運営を管理し、ユーザーをサービスする長期的な能力にある。このマラソンは、まだ始まったばかりだ。